
サラリーマンで副業を始めている人が近年増えてきています。
副業とは言っても様々ありますが、今回は株取引について。
そもそも株取引は副業になってしまうのか?税金とかはどうなるの?
ということを詳しく見ていきたいと思います。
会社によっては副業を禁止している会社も多いでしょうから気になるところです。
Contents
サラリーマンが副業で株取引をしたら税金かかるのか?
会社の給料だけでは生活が苦しい・・・。よし!株取引をやってみよう!
そう思った時に、「あれ?そんな時の税金ってどうなるんだろう??」
「そもそも税金ってかかるのか??」
こんな風に思う人も多いでしょう。
実際に株で得た収益に税金はかかるのでしょうか?
そもそも副業とは?
実は税法上、「副業」という用語や定義は無いようです。
そのため算式や税率も決まっていません。
一般的な認識としては、「副業は会社の給料以外の収入」という感じではないでしょうか?
その認識でいえば、例えば土日の休みにアルバイトをすることも副業ですし、会社の休憩時間にスマホで株取引をするのも副業です。
しかし、税法上に「副業」という定義はないのです。
じゃあどうなっているの?
実は、一般的に言われているこの副業で得た収入は、種類や得た副収入の性質によって「〇〇所得」という区分にわけられるのです。
そしてその所得区分によって、算式や税率が変わってくるのです。
副業の定義についてはこちらの記事でまとめていますので気になる人は参考にしてください。
株取引は「〇〇所得?」売買取引と配当金では所得区分が違う?
株取引で収益を得る場合、二通りあります。
一つは、株を買ったら株価が上がった時に売りその差額が利益となる売買取引。
二つ目は、買った株を保有して配当金を得るというもの。
同じ株での収入でも性質が異なるため、これは所得区分が違うという事です。
つまり算式や税率が違ってくるという事です。
- 売買取引:譲渡所得 税率20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
- 配当金:配当所得 税率20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
このように区分がわかれます。
それぞれ税率は同じですが、
配当所得は自動で源泉徴収されるため確定申告の必要はありませんが、譲渡所得は「場合によっては」確定申告をする必要があります。
(「場合によっては」→1年間の売却益が20万円を超えた場合など、確定申告をする必要がある。)
サラリーマンが株取引をすることは副業になるのか?
「株を始めてみたいけれど、会社にバレないかな?」
そう思っているサラリーマンもいるかもしれませんね。
務めている会社によっては副業を禁止している会社もあるでしょう。
では株取引自体は副業になるのでしょうか?
株取引は副業とはみなされません。
例えば一日に何億円という大金を動かすトレーダーでさえも無職扱いとなります。
FXなどもそうですが、これは資産運用の一つとなるわけですから「副業」ではないのです。
それよりも問題なのは、仕事中に会社のパソコンで取引をしているとか、就業時間中にスマホで取引をしているとか、そちらの方が問題になるケースが多いので、くれぐれも注意を受けないように気を付けましょう。
2019年1月追記
株取引は必ずしも確定申告が必要なわけではない?
株取引をする場合に、譲渡所得か配当所得の二つの所得区分があることがわかりましたが、確定申告が必要なケースと必要ではないケースがあります。
確定申告についてもう少し詳しく見ていきましょう。
売却益が20万円以下の場合は確定申告の必要はない
サラリーマンのように、給料を1ヵ所からもらっている場合で、
株取引の売却益が年間で20万円以下の場合は確定申告をする必要はありません。
ただし、不動産収入や配当金など各種の所得金額と売却益の合計が20万円を超える場合は、確定申告の必要があります。
証券口座開設の時の一般口座と特定口座とは?
次に、株取引を行うにあたり必ず必要になるのが証券会社で口座を開設することです。
その際に、開く口座の種類によって確定申告が必要になるか・ならないかが変わってきます。
②特定口座(源泉徴収あり)
③特定口座(源泉徴収なし)
①一般口座とは?
一般口座は、今すでに持っている銀行口座をそのまま株の取引き用に利用できるというものです。
しかし、年間の利益が20万円を超えた場合は確定申告が必要となりますが、確定申告に必要な株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書を自分で作成し、確定申告を行う必要があります。
銀行口座をそのまま株取引に利用できるメリットはありますが、必要書類を自分で作成する必要があるというデメリットがあるわけですね。
正直めんどくさいです。
今はネットで証券口座の開設などは簡単に出来る時代ですので、その手間を惜しむよりも毎年の確定申告の手間の方が大変です。
②特定口座(源泉徴収あり)とは?
特定口座とは、証券会社が株を取引をするためだけに用意した口座となります。
一般口座と違って、特定口座は証券会社で取引用の口座を開設する必要がありますが、確定申告にあたっては非常に便利なものです。
源泉徴収ありの場合は、確定申告を証券会社が代わりに行ってくれます。
これは、株の取引で売却益を得るごとに証券会社が税金分を徴収して、代理で確定申告をしてくれているわけです。
ただしデメリットもあります。
株での利益が年間で20万円以下だった場合は確定申告の必要がないのですが、特定口座(源泉徴収あり)を開設した場合は、年間の利益が20万円以下の場合でも売却益を得るごとに税金分を徴収されているわけですから、投資金額はその分減っていることになります。
まぁ、これをデメリットととるのかとらないのか・・・というのが判断基準になりますね。
③特定口座(源泉徴収なし)とは?
こちらは、源泉徴収ありと比べて違うことは、株での利益が年間で20万円を超えた場合に確定申告が必要になりますが、券会社は代理で確定申告をしてくれません。
つまり、自分で確定申告をする必要があります。
とは言っても、非常に面倒な、一般口座では自分で作成が必要だった株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書を証券会社が代わりに準備してくれます。
ですので、確定申告を自分で行う必要はありますが負担は随分と軽減されますね。
さらに、投資金額の面でもフルに活用できます(売却益を得るたびに税金分を引かれるわけではない)ので、そういった面でも有利になります。
年間の利益が20万円以下だった場合は確定申告の必要もありませんので無駄に税金を支払う必要もないと言えます。
年間の売却益がマイナスだった場合でも確定申告をした方がいい?
年間で利益どころかマイナスになってしまった場合は、当然20万円以下となるわけですから、確定申告をする必要はありません。
しかし、確定申告をすることもできます。
・・・・ん?
なんでわざわざ???
実は、損益が出た場合はその金額を3年間にわたり繰越すことが出来るのです。
わかりやすく言うと、利益を損失で相殺できるというわけです。
例えば、
- 2018年 年間の売却益 -20万円 (確定申告をして、損益を繰越す)
- 2019年 年間の売却益 +30万円 (繰越しの適用 30万円-20万円=10万円)
この場合の2019年の売却益は10万円とみなされるわけです。
そうなると2019年に納める税金に差が出てきます。(※譲渡所得の税率20.315%を20%で計算しています。)
- 30万円×税率20%=6万円 (繰越しなしの場合)
- 10万円×税率20%=2万円 (繰越しありの場合)
こうすることによって、無駄な税金を払わなくて済むという事になります。
ただし、特定口座(源泉徴収あり)の場合でも、確定申告を自分で行う必要があるようです。
詳しくはお近くの税務署に問い合わせてみて下さい。
まとめ
今回はちょっと難しい話になりましたが、最後に簡単にまとめてみます。
①株取引は副業になるのか?→副業にはならない。資産運用の一つだから。
②しかし勤務時間中に株の取引きをすると問題です。
株に限らず仕事中に違うことをすること自体が問題ですからね。
③サラリーマンで株での収益は副収入となる→株は譲渡所得か配当所得の二つの所得区分に分けられる。
譲渡所得→確定申告が必要 配当所得→自動的に源泉徴収されるため確定申告の必要なし
④株取引は確定申告が必要な場合とそうでない場合がある。
- 年間の売却益が20万円以下→必要なし 20万円を超えると→確定申告が必要
- 一般口座は銀行の口座を利用できるが確定申告が必要だし「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」も自分で用意する必要がある、一番手間がかかる。
- 特定口座は『源泉徴収あり』と『源泉徴収なし』の2種類がある。
- 源泉徴収あり→一番負担が少ないが、売却益20万円以下でも取引毎に税金を徴収されている。
- 源泉徴収なし→売却益が20万円を超える場合のみ確定申告を自分で行う必要があるが、「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」は証券会社が作成してくれる。
⑤年間の売却益がマイナスの場合でも確定申告をすることによって、損益を3年に渡り繰越すことが出来る。無駄な税金を払わなくていいが、確定申告の手間は発生する。